現在、米フロリダ州ペンサコーラ市にあるUniversity of West Floridaのアスレティックトレーニング学部に所属する伊勢嶋宏樹くん(3年生)にインタビューをしました。実は伊勢嶋くん、今年で30歳!周りの学生に比べたらもはや「おじさん」扱い(笑)ですが、まだまだ若者に負けない体力とバイタリティを持つエネルギッシュな留学生です。

日本の大学では柔道整復師の資格を取得。卒業後は、地元千葉県の接骨院で治療家としてのキャリアをスタートをさせました。それでも「もっともっとスキルアップしたい」という気持ちが強くなり、スポーツ医学の本場アメリカへの留学を決意。このこ頃すでに26歳。もう一度「学生」に戻ることの心境や、自分と同じような経歴を持ちこれから留学をしたいという方へのメッセージなどをお聞かせいただきました。
【留学日記】<ウエストフロリダ大:伊勢嶋さん>1




留学を決意したきっかけは?



大学を卒業し接骨院で働き始めたのですが、先輩たちのスキルを見ているうちに「もっともっと高いスキルを身に付けたい」と思うようになり、スポーツ医学の先端を行くアメリカで学んでみたい、と思ったのが一番のきっかけです。また、小学生の時からバスケットボールをやっていたこともあり、ずっとアメリカのNBAに憧れを持っていました。接骨院で働き始めた頃、友人と一緒にロサンゼルスにNBAを観戦しに行ったとき生まれて初めて憧れの風景を見た瞬間、全身に鳥肌が立ちました。「ここでトレーナーとして働く!」と決めたのはこの時でしたね。



当時すでに27歳でしたが、年齢は気になりませんでしたか?



全然なかったです。やりたい事が明確になったのでとにかく行くだけ、だと。しかしながら親には日本の大学にも行かせてもらっている手前、留学費用がネックでしたね。英語は全然できなかったので当然英語学校スタートが余儀なくされている状態。1年間で大学の入学条件をクリアできなければ「完全帰国」という約束の下、なんとか両親に支援してもらい留学できることになりました。それでも少しでも負担を軽減できるように、必死に働いて節約して何とか300万円は自分で用意しました。



お金は何とかなりました。他の不安要素は全くありませんでしたか?



正直ありましたね。とにかく英語が苦手だったので、本当にできるのかと不安でした。あとは治安。テレビの向こうで起きている事件などは日本とは違った規模のレベル。この2点が不安要素でしたね。



留学前の英語学習はどのように勉強したのですか?



お金も貯めなければいけなかったので、働きながら独学で勉強しました。独学と言っても通勤中に英語を聞いたり程度のレベル。到底、大学入学に必要なTOEFLの点数に到達するわけがありませんでした。点数が上がるまで日本に居るようでは時間ばかりが過ぎてしまうので、さっさと行ってしまおうと(笑) まずは大学付属の語学学校に入学しました。
【留学日記】<ウエストフロリダ大:伊勢嶋さん>2





英語学校はすぐに卒業できたのですか?



何とかなると思ったのですが、なかなか上達しませんでした。自分よりも後に入った20代前半の学生たちが先にクリアし、どんどん学部入学をしていく光景を見て、心が折れました(笑)。話には聞いていましたが、これが「年齢の差」なのかと・・。年齢のせいにはしたくありませんでしたので、とにかく目の前のTOEFLクリアに集中し、トレーナーの事は一切忘れ、英語の勉強に専念しました。クリアしたのは渡米してから1年を過ぎた頃。親と交わした1年間の約束は果たせませんでしたが「まだ頑張りなさい」と言ってくれた親には頭が上がりません。本当に感謝です。



これをやって英語力が上達した、という勉強法はありますか?



TEDトークは自分には合っていたと思います。トピックによっては理解しにくい内容もありましたが、話し方やジェスチャーなど、語学だけでなくプレゼンの仕方まで、総合的に学べました。また自分はリスニングが弱かったので、洋楽を聞いて歌詞を調べたりしました。あとは料理中に音楽を流したり、就寝中に枕元に英語を流し続けたり、とにかく「聞く」という作業を徹底しました。



今の英語力は完璧??



いえ、全然ですよ(笑)。留学当初よりもマシにはなりましたが・・。まだリスニングが弱いのは自覚しています。授業中もたまにわからない事がありますが、先生やクラスメイト達がとても優しく協力してもらっています。



クラスメイトとの「ジェネレーションギャップ」は感じませんか(笑)?



大丈夫です! むしろ僕は最年長ではなく、上から4番目なんです。40代が2名、30代が1名いる珍しい学部なので、まだまだ「若手」枠でやらせてもらっています(笑) まあ、その3人の方が話が合うのは確かですが・・。そんな環境ですので、先生方もクラス全員を平等に扱ってくれますし、とても居心地がいいですね。アジア人はもともと若く見られるので、いまだにみんなが僕が30歳であることを信じてくれていません(笑)



トレーナー学部は実習の拘束時間が長いと言われていますが、学業との両立はいかがですか?



大変です(笑) でも、だんだんペースを掴んできたので以前ほどではありません。勉強はもともと嫌いでないですし、とにかく実習が楽しいのでバランスよくできていると思います。全学期はフットボール部を担当し、とにかく拘束時間が長かったのですが、コーチ陣や選手たちにかわいがってもらい、辛い時に何度も助けてもらいました。
【留学日記】<ウエストフロリダ大:伊勢嶋さん>3





まだ「旅」の途中ですが、留学して良かったことはありますか?



「出会い」ですかね。ここまでたくさんの人に助けてもらって今の自分があると思っています。この人たちとの出会いがなければ、とっくに日本に帰っていたと思いますし、自分の夢も具体化していなかったはずです。様々な国籍の人と会い、自分の人生についてもゆっくり考える時間ができ、これまでの価値観が変わった気がします。自分に太い芯もできました。まだ何も成し遂げていない身分ですが、心から留学をしてよかった!と胸を張って言い切れますね。これからも、たくさんの出会い、と目標に向けての日々が楽しみです。



これから留学をしたい20代後半の方へメッセージを!



年齢の事、将来の事、そしてお金の事、色々と不安は募りますが、条件がクリアしていれば絶対来るべきだと思います。来てみないと分らなかったこと、そして新たな可能性を知ることもできます。アスレティックトレーニングの知識は無くても、何とかなります。アメリカ人の学生たちも大学からのスタートですから。それよりもとにかく英語、英語、英語です!話せるに越したことはありませんが、聞き取ることができなければ「反応」ができません。リスニングを重点的にやっておくと良いと思いますよ。



最後に、伊勢嶋さんのこれからの「野望」をお聞かせください。



NBAのチームトレーナーになることは今も変わりありません。これは一番上にある目標です。ただ贅沢を言うのであれば、それまでの過程で「海外青年協力隊」に参加し、人の為になる活動をしてみたいです。それがトレーナーとしてなのか、バスケットボール経験者としてなのかはわかりませんが、これまで助けられっぱなしだったので、何かしらの形で人を助けることに奉仕したいと強く思っています。人を助けることで得られる幸せを感じてみたいですね。



伊勢嶋さんの今後に期待しています!



ありがとうございます!
【留学日記】<ウエストフロリダ大:伊勢嶋さん>4




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